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歴史的仮名遣いについて

里実文庫では、底本の文章が歴史的仮名遣いで書かれている場合は、それを現代仮名遣いに直すことはせず、そのまま歴史的仮名遣いで入力することを原則としています。それは、原文の表記を尊重すると共に、多くの人に歴史的仮名遣いで書かれている文章を読んでいただきたいと思っているからです。

一般的に歴史的仮名遣いで書かれている文章を読むのは、せいぜい高校まででしょう。高校の古典の授業で、源氏物語や徒然草を読みますが、その後大学に進学する人でも、文学部などに籍を置く人以外は、もう歴史的仮名遣いの文章にふれることはありません。そして、そのうち歴史的仮名遣いを学んだことも忘れていってしまいます。

しかし、人生は長いのです、人生の道半ばで、ふと立ち止まり、先人の知恵に学びたいと思う時もきっとあることでしょう。そんなとき歴史的仮名遣いの読み方に慣れていれば、「だ・である」と「なり・たり」の違いはあっても、徒然草などを読むことにも、あまり抵抗感を持たずにすむのではないでしょうか。なにしろ、江戸時代にはベストセラーになっているということですから、読めばいろいろと得られることも多いと思います。

「現代仮名遣い」は、昭和21年に告示された「現代かなづかい」を改訂して、昭和61年に公布されたものです。現在出版されている書籍の多くは、現代仮名遣いで書かれています。ですから、古典以外の歴史的仮名遣いで書かれた文章を読みたいと思っても、古書店にでも行かなければなかなか手に入りません。

しかし、インターネットが普及したことで、状況が一変しました。今では、歴史的仮名遣いで書かれた文章を載せているサイトがたくさんあります。わたしたちは、いつでも、手軽にそれらを読むことができます。

今までに私たちが経験したことのない新しい方法で、過去の文化遺産を現代の生活の中に取り込んでいくことが可能となったのです。このような時代になったからこそ、歴史的仮名遣いに読み慣れておくことに重要な意味が生じたわけです。決して復古主義的な考え方で、歴史的仮名遣いが必要となるのではないのです。

梶井基次郎の名作「檸檬」を、歴史的仮名遣いで読んでみませんか。きっと古典を通して学ぶより、ずっと早く歴史的仮名遣いへの垣根がとれてしまうことでしょう。そして、古典をより身近なものと感じる下地が、知らず知らずのうちに形成されていくに違いありません。

歴史仮名遣いについてもう一度学び直すためには、次のサイトが参考になります。

歴史的仮名遣ひ教室(外部リンク)


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